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暗号通貨(仮想通貨・暗号資産) Stratisとは
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BaaS - Blockchain As A Service (ブロックチェーン・アズ・ア・サービス)

Stratisはプロトコルレイヤーのブロックチェーン。競合のチェーンにはEthereum, Lisk, NEO, EOSなどが存在する。Stratisは、エンタープライズ(業務用システム)向けの開発者をターゲットに、彼らに馴染みがある言語「C#」や、広く使われているMicrosoft社製のフレームワーク「.NET」でのブロックチェーン開発を提供する。

0.前提 | Stratis(ストラティス, STRAT)とは

前提 : Stratisはトークン?プロトコル?

Stratis(ストラティス)は俗に言う「プロトコル系」暗号通貨に属する。同じレイヤーのプロジェクトとして、Ethereum(イーサリアム)、Lisk(リスク)、NEO(ネオ)、EOS(イオス)が存在する。(この暗号通貨は、Ethererum上で動く「アプリケーション」や「トークン」ではない。)

Stratisと呼ばれる独自のチェーン(オリジナル・チェーン, 独立したブロックチェーン)であり、アプリケーションを載せる基盤となる側のチェーンである。

スマホに例えると「メルカリ」「グノシー」といったアプリ側ではなく、それらのアプリを載せる「iOS」や「Android」といったOSに近しいポジションの暗号通貨である。

Stratisの強み

プロトコル系暗号通貨は現在2018年絶賛戦国時代真っ最中。

現在Ethereumがプロトコル系暗号通貨では最もメジャーであるが、処理速度(トランザクション処理速度, TPS)に問題を抱えていて、現在コミュニティ内でその解決を議論している最中である。

他の多くのプロトコル系通貨は各々ユニークな特徴を持つものの、差別化の主なテーマは、処理速度の改善がメインのテーマとなっている。

では、そんな群雄割拠のプロトコル系暗号通貨界においてのStratisの強みとは何だろうか。以下の3点が大きくあげられる。

プロトコル系通貨 - Stratisの3つの強み

  • エンタープライズ(業務用IT)業界に特化した開発環境の提供に強み。業務用ITで広く使われている「C#」「.NETフレームワーク」を利用可能
  • プライベートチェーン(サイドチェーン)を中心にアプリケーションを実装できるようにしている。(サイドチェーン自体の説明はここでは端折るが、サイドチェーンがあるとある程度自社でコントローラブルに制御可能になる。)
  • Plug And Playな開発環境。開発からデプロイ(本番環境への適応の事)までを一貫した開発環境の中で行える。

極力開発側の負担を減らしつつ、業務用ITならではのリカバリー性を担保したようなデザインになっている(業務用の場合、不正なデータを戻したいといった需要が必ずある)

プロトコル系通貨の中では、開発者のターゲット属性は違うものの、Lisk(リスク)が似ている。Liskも開発環境の整備に力を入れているが、こちらは業務用ITをターゲットにしていない。

それでは概要を掴んだところで、なぜStratisが立ち上がったのか。どんな課題に根ざしたのか。どんな解決方法でこの課題に立ち向かおうとしているのか。懸念点、将来性、ターゲットなどを下記に説明していきたい。

1. 課題 | Stratisの設定課題

StratisはエンタープライズIT(業務用IT)をターゲットにしている。そのエンタープライズITでのブロックチェーン開発において、現在下記の3つが代表的な障壁になっており、Stratisのプロジェクトはこのような課題を解決することに根ざしたプロジェクトとなっている。

エンタープライズブロックチェーンにおける3つの課題

  • 課題❶.業務でブロックチェーン開発を行うにはインフラやセキュリティやメンテナンスに対してのコストが大きすぎる。
  • 課題❷.既存のEthereum等のブロックチェーンを利用して、業務用アプリケーションの開発に臨んだ場合、安定したデリバリーが不可能になる。OSS(Open Source Software, オープンソースソフトウェア)開発者達の動きに強く依存してしまう。
  • 課題❸.事業にてブロックチェーンを展開するにあたり開発面での事業リスクをヘッジしにくい現状
    (≒外的要因が大きすぎて大きな企業が事業計画を敷けない)

また、この代表的な課題に加え、下記のような問題も抱えている。

他問題:エンタープライズ系開発系スキルとブロックチェーン開発系スキルの乖離

エンタープライズ系の開発スキルとブロックチェーン界隈でメインで使われる開発スキルが異なるという問題。

他問題:ブロックチェーン・アプリケーション開発の標準が定まっていない段階。

エンタープライズ開発の現場で多く使われている「.NET」系の開発の開発と違って、リリースまでの決まった手順の標準が定まっていない。

他問題:ブロックチェーン・アプリケーション開発の標準が定まっていない段階。

パブリックなブロックチェーンは、コミュニティの開発動向によって仕様の変更があるため、場合によってはアプリケーションサイドも変更に対応する必要が出てくる。

設定課題:まとめ

と、上記に現状のエンタープライズ向けのシステムをブロックチェーンに組み込む場合の問題点を列挙した。要は現状のブロックチェーンと業界向け開発の相性が悪いということだ。Stratisはどういったアプローチにてこれらの諸課題について立ち向かおうとしているのか。

2. 解決策 | 業務向けブロックチェーン実装の問題をStratisはどう解決していくか

エンタープライズの慣習にブロックチェーンアプリケーションの開発が適していないのであれば、ブロックチェーンアプリケーションの開発をエンタープライズの慣習に合わせる、というのがStratisの取ったアプローチ。

Stratisの3つの解決策

  • 解決策❶.開発環境~デプロイ(本番適応)~ホスティングまでを一貫して提供。
    現状のブロックチェーン開発ではこの手法はさぐりさぐり各プロジェクトで模索しながらだが、Stratisでは指定の決まったやり方でこの工数を端折ることが可能な模様。
  • 解決策❷.エンタープライズ開発での利用人口の多い「C# + .NET」での開発が可能。最近流行のXamarinも利用可能。
    本質ではないが魑魅魍魎としたnode製ライブラリ群に比べ、企業視点的にはなんとなく安心
  • 解決策❸.加えて処理速度の問題とコントロール性を解決するために、プライペートチェーン(サイドチェーン)を実装。ある程度限定した環境でのアプリケーションを展開できる。
    プライベートチェーンは、正しく処理をコントロールしたいエンタープライズには、需要がある。(例えば銀行での犯罪送金をロールバックしたいなど。)

といった手段が取られている。

開発からデプロイ(本番適応)、そしてメインチェーンへの組み込みの流れとしては以下のようなイメージとなる。

開発者は「C#」と「.NET(またはxamarin)」という慣れ親しんだ環境を使って、開発もできるし、そのままデプロイも実行できる。デプロイ先はPrivateチェーンとなっていて、インフラ周りはStratisのクラウド上(Stratis Platform)で動作する。これらのサイドチェーンはStratisのメインチェーンに定期的に書き込まれていく。といった流れになっている。

ただし、プライベートチェーンなるものに、なにがしかの統制が存在するかは現状不明。(プライベートチェーンと呼ばれるものが、単なるプライベート・システムである可能性はある)

3. 市場規模 | Stratisのターゲット市場

  • ブロックチェーン市場:2022年までに76億8730万ドル。
    2017/12/15発行のMarketsandMarkets社の調査より。

4. 懸念点 | Stratisの懸念ポイント

  • エンタープライズに強みを持つIBMがHyperledgerによるブロックチェーンサービスを提供している。
    IBMBlockchainPlatformでHyperLedger・FabricをベースのBaaSを提供している。またIBMやIntelはAmazonReInventなどのカンファレンスにてHyperledgerの継続的な啓蒙活動を行なっている。
  • Microsoftと連携というがAzureMarketplace掲載程度のゆるいもので言葉の一人歩きには疑問。
    クリックしてこちらを参照(github)

5. 評価点 | Stratisの評価ポイント

  • エンタープライズ系開発者をターゲットにしたユニークなポジショニング戦略。
    Ethereumを中心に現在のライブラリの多くはnode.js製またはC++製の(当然オリジナルも含む)ため、技術に対する高度な審美眼が必要。
    その点説明責任を求められる業務系アプリケーションにおいてすべてが
    レール上に置かれているという安心感は担当者の説得コスト軽減に効果的。
    *ちなみにIBMはdocker x ubuntuでの環境構築をページで推奨。
  • クラウドの提供だけでなくコンサルティングサービスの提供にもキャッシュポイントを置いている点。
    クラウドサービスの提供にとどまらずコンサルティングを行うことによって各業務ドメインの課題が流れ込む構造になっている。IBMなどの超大手と比較すると営業力に心配はあるが、ブロックチェーン特化型として一つのユニークなポジションを取りに行く可能性も。

6. 補足 | Stratisが打ち立てる概念 - BaaS (Blockchain As A Service)

ちなみにではあるが、この業務向けのBlockchain開発環境を、StratisはBaaSと呼称している。

他同様の概念を打ち立てているのは、IBM Blockchainが有名。 IBM BlockchainではFabric, Hyperledgerを利用しつつ、運用のための包括的なサービス群を提供している。(FabricやHyperlederはBlockchainというよりは、分散台帳システムと言った方が正しいか。)

BaaSの定義は厳密に定まっていないが一言でいうと..「BaaSはブロックチェーン・アプリケーション構築の面倒な作業を一任できるサービス。BaaSを利用することにより、利用者はアプリケーションの開発のみに専念できる。メインチェーンやブロックチェーン自体の開発や、本番適応のための設定、その周辺のソフトウェア群の選定、運用監視などの細かいところはBaaSに任せることができ、それにより利用者は本質的なビジネス構築に専念できる」といったところである。

7. まとめ

Stratisはエンタープライズ系IT(業務系)をターゲットにしたプロトコル系通貨である。そして、Stratisが根ざしている課題は、現状のエンタープライズ向けでブロックチェーンを組み込んだシステムをつくるのは筋が悪い、という点にある。

そこでStratisは、ブロックチェーンのエコシステムを逆にエンタープライズ系ITへの慣習に寄せる形で、開発環境を整え、その問題を解決しようとしている。また、面倒なホスティングなどはStratisPlatform側が請け負ってくれ、利用者は純粋なアプリ開発に集中できるという構造である。

一点、プライベートチェーンなるものに、なにがしかの統制が存在するかは現状不明。(プライベートチェーンと呼ばれるものが、単なるシステムである可能性はある)



これにて本文は終わりです

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